2022/05/06 11:37

インテリアが私たちの心の健康と幸福度に与える影響



デザインの好みは人によって違いますが

インテリアは、ときとして不可解な方法や、私たちが気付かないような方法で

現代人のメンタルヘルスと幸福度を大きく変えるようです。

今回は「インテリアが私たちの心の健康と幸福度に与える影響」について

書かせていただきますので、是非参考にされてみて下さい。

 

 

ではまず最初に

環境心理学者のリリー・バーンハイマーによりますと

家は「外界からの避難所」と思えるような場所でなくてはならないとのこと

そして、そう思える家というのは、決まってインテリアのデザインが素晴らしい

と語ります。

 





さらに、2021年の『ミラノサローネ国際家具見本市』では

グーグルが米ジョンズ・ホプキンス大学のアート&マインド国際研究所と共同で

今回のテーマである

「インテリアデザインが私たちの心と体に与える影響」を調査したのですが


このチームは3つの異なる部屋をデザインし

参加者は心身の反応を記録するバンドを着けて各部屋を回ったところ

意外な結果が出たとのこと。

 


そしてその結果というのは、参加者の半数が安らぎを覚えたのは

見た目が一番よい部屋ではなかったということです。

 


これを受けてグーグルのプロダクトデザイン部長、アイビー・ロスは

「私たちは視覚的によい部屋を作ることに慣れていますが

これからはもっと感覚を研ぎ澄まし、よいと“感じられる”デザインを意識するべきです。」

と語っています。

 





本人の自覚があろうとなかろうと環境を変えれば気持ちも変わる。

 


1.家具

 

そして『ミラノサローネ国際家具見本市』では

家具が体とウェルビーイングに与える影響を調べる研究も行われました。

 


バランスは、メンタルヘルスにもっとも大きな影響を与えるデザインの要素。


家具が部屋に合っていないと、部屋全体のバランスが悪くなり、居心地まで悪くなる。

建築家のドナルド・H・ラグルズによりますと、テーブルの角が尖っていたり

ギザギザしていたりするだけで私たちは不安を感じるとのこと。

すべての家具は、その部屋で住人が感じたいことや

したいことに合ったものでなければならないといいます。

 





2.アート

 

さらに、自分にピッタリの空間を作る上で、アートは特別な役割を果たします。

そして、部屋に飾る絵と写真は、住人の個性を何よりも映し出し

その部屋が、その人のための空間であることを教えてくれるのです。

 

アートや家庭用品を買うときは、あなたらしいものや

あなたのテイストに合ったものを選ぶ。

なぜなら、それがマイホーム感をくれるからです。

 

 

  


3.自然

 

また、生物学者のEO・ウィルソンは、1980年代に

“バイオフィリア”という言葉を生み出しましたが

これは「人間が自然とのつながりを本能的に求めること」を意味する言葉です。

 

そして、このつながりは人間のメンタルヘルスや幸福度に影響するため

最近では、このバイオフィリアに着想を得たデザインが

インテリアや建築物に広く取り入れられています。


天然木のフローリングや観葉植物は

絶え間なく変化する自然を感じさせ、安らぎを与えてくれますので

できるだけ自然の物、素材を意識して取り入れてみましょう。

 


 



4.照明

 

体と部屋を調和させたいときは、照明に気を配ってください。

シーリングライト、テーブルスタンド、装飾用のキャンドルを組み合わせれば

気分や日照時間に合わせて照明を変えられますし

照明のオプションが多ければ多いほど、気分は向上させやすいのです。

 


5.配色

 

さまざまな色に対する人間の反応を調べた研究は数多く

その結果を見る限り

人間は生まれつき特定の色を特定の感情に結び付けたがる生き物だということが

わかってきました。

 

また、これは数少ない研究から得た情報に過ぎないのですが

わたしたち人間は、赤、オレンジ、黄といった色に刺激を感じ

緑、青、紫といった色に安らぎを覚える傾向にあるようです。

ですから内装の色は、その部屋で感じたい気分によって決めてみるといいかもしれません。

 


 



インテリアで幸福度が変わるかどうかは、けっこう個人的な話。


ですが、ここで紹介したようなインテリアデザインの基本原理が

メンタルヘルスや幸福度に与える影響は一考に値しますので

是非参考にされていただければと思います。